Waltz Op.69 No.2 arr:Roland Dyens
時を遡る 時計が ある
どれくらいの 時を 遡れるのだろうか・・・
どれくらい 戻れば
あの笑顔に 逢えるだろうか・・・
屈託のない 何に媚びる事も無い あの笑顔に・・・
観音裏の 大きな柘榴の木
登って 捥ぎった 大きな実
口に含んで プチッと潰せば
果肉が弾けて 甘酸っぱい香りが広がる
種を暫く 舌の上で転がして楽しんでいた
あの子と 半分こにして 木の上で食べたんだ・・・
北風に傷んだお花は 幼い頃を振り返ったりする・・・
急に 漠然とした寂寥感に包まれて
根拠のない それでいて とてつもなく深い不安が
広がってしまったりする・・・そんな時
窓に映る夕暮れを眺めながら
それだけは 嫌だと 泣いている
幼い頃の 自分を見つけた・・・
お転婆だったんだ
まり