King's College Cambridge 2015 #13 O Holy Night Adolphe Adam

12月24日
此処に越して来て 初めて雪の無いイヴ 少しがっかりして24個目の窓を開ける・・・

ねぇ 雪がないから橇は滑れないよ
どうする?
今年はお休みにしない?

そんな訳にはいくものか
私らを待っている子供たちが世界中に居るんだよ
大体 雪がないのはあの少年の所だけだろう?
去年はずいぶんと喜んでおったから
今年も行ってやらねばなるまいなぁ・・・ヤレヤレ・・・
雪がないんじゃ 歩いて行かねばなぁ・・・

去年は確か お空に絆創膏を置いて来てやったんだっけ・・・
今年は何をプレゼントしてやったら良いものやら・・・
うーむ・・・悩むのう・・・

あの子は もうすっかり目に見えないものも見つめられるようになりましたよ
また1年 大切なものを抱きしめて 少しは成長したんじゃないですかね
ちゃんと 周りの人にも素直に感謝しているようですし
あぁ・・・擦り傷も少なくなったみたいですよ
あれ? でも最近お空を観ない日があるようですね・・・
どうしたって言うんでしょう・・・成長したように見えたのは間違いでしょうか?・・・

いやいや 待て待て そうではなかろう
子供の頃は擦り傷も多いものじゃが
大人になると擦り傷では済まぬような 深い傷も作る事があるんじゃよ
あの子がお空を観ないような そんな日が来るなんて
それだけ 大人に近づいたと言う事じゃろうて・・・

じゃぁ 何をあげましょう?
心は少年でも身体は大人なんですよ
大人へのプレゼントは 目に見えないものと言う決まりがあります
うーむ・・・そうじゃなぁ・・・
おぉっ! あのお方に頼もうか・・・
おぉ そうじゃそうじゃ それがよろしかろう
あの少年も きっと喜ぶに違いない
頭を撫ぜて貰うのが 飛び切り好きな筈じゃからのう・・・

あの子の夢の中に 地図を届けてやろう
あそこなら 少年もひとりで行けるだろう
お空を観れない日には いつでもあそこに行けばいい・・・

お母さんの掌じゃ・・・
すべてを受容して許してくれそうな やさしい掌
痛いの痛いの飛んでゆけ・・・て言ってくれそうな掌
もういいよ・・・って言ってくれそうな掌
もう頑張らなくてもいいよ・・・って言ってくれそうな掌
少年は この掌に撫ぜて貰えば きっと頑張れるんじゃなかろうか
お空を観られない日でも 此処に来る事は出来るじゃろう・・・

おぉ・・・相変わらずやさしいお顔をしておられる・・・
お母さんの顔じゃ・・・
少年は何の信仰も持たないが やさしいお顔が大好きだと言うておったから
きっと慰めになるじゃろうて・・・
さて皆・・・そろそろトナカイを呼んで 雪国を回るとしようかのう・・・

クリスチャンでもクリスチャンじゃなくても
子供でも大人でも クリスマスは心楽しい時・・・
心の中の少年は 未だにプレゼントを欲しがったりします
目に見えなくても 確かに其処にある大切なもの・・・
愛情 友情 信頼 負けない心・・・
今年もたくさん 皆様に頂きました
それをしっかりと胸に抱きしめ 来年もまたパタパタトントンと
繋がりの糸で 素直な心を織りあげて行けたらと思います

私からのプレゼントは何もありませんが・・・
今夜は静かなクリスマスイヴです
皆様の上にもたくさんの祝福が降りますように
Merry Christmas どうぞ良い夜をお過ごし下さい
まり