
錫杖に 蛍の如き薄明り
道行き照らす 文月はじめ
Ashioto

山門を潜る足音を
待っていてくれたのは
お庫裡さん(ご住職の奥さま)の笑顔でした

短い石段を 一歩一歩慎重に登れば

観音の 背を流る碧の花
文月の汗 共に流さん
そんな姿の観音さまにお逢いできます

此処は 江戸時代から続く佐久山の実相院
赤穂浪士 大高源吾 の墓所でもあり
私の大好きな忠臣蔵のお話の中に出て来る
宝井其角との句のやり取りが 想い出される場所でもあります

討ち入り前
其角 「年の瀬や 水の流れと 人の身は」
子葉 「あしたまたるる その宝船」
討ち入り
其角 「我が雪と 思えば軽し 笠の雪」
子葉 「日の恩や たちまち砕く 厚氷」
幾度想い出しても 感動してしまうシーンです
私の中では 大切にしたい日本人の心粋の代表的なものなので・・・

お庫裡さんが 一昨年にお遍路さんで訊ねた日付まで覚えていて下さって
同じように大好きな 山紫陽花の情報交換などしながら
ご主人さまを亡くされて塞いでいた時に
いつの間にか 山紫陽花に慰められ増えてしまったと
静かにお話しして下さいました

雨が降ったり止んだりの一日でしたが
今年も またお逢いする事が出来てうれしかったです
夕べは 痛み止めを飲んでぐっすり眠れました
梅雨が晴れれば そのうち身体も元に戻ってゆくでしょう ^^
四季の移り変わりの中の 小さな小休止なのかも知れませんね
ゆっくりゆっくり・・・そんな声が聴こえたような気がしました
まり