
― 東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ ― 菅原道真
Debussy - La cathédrale engloutie

真っ黒な波が 鉄壁のようにすべてを押し潰し
跡形もなく奪い去ったあの日から 今日で七年が経とうとしています

両足を踏み鳴らし 拳を打ち付け
わなわなと震えていたお山は 今静かに霞の中

真っ暗な瓦礫の中を 真っ直ぐに歩き続けた人並みは
日本人の歩き方を 深く心に刻み付けてくれました

歩く事を諦めずにいると いつの間にか小さな光りが灯りました

それはほんの少しずつですが ひとつふたつと増えてゆき

人が諦めず踏みしめた大地に お花の道が出来ました

お空に昇った人たちも 星の道を作っています
空気の澄んだ夜ともなれば きらきら光り輝きます

忘れてはならない事があると言う事
それが 今生きてると言う事
歩き続けると言う事
それが お空のあなたを愛すると言う事
悔やむと言う事
それは 繰り返さないと言う事

瓦礫の中に咲いた花よ
巡礼の如く 目を覚ましませ
弥生の匂い 忘れじの候
3.11に寄せて

五大虚空蔵菩薩座像
まり