
― 桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命(いのち)をかけてわが眺めたり ― 岡本かの子
満開の染井吉野の下で 全身全霊で生きると言う事の尊さを想う
どんな春にも繰り返されて来た 天上から降る命の授業を
私は今年も 襟を正して聴いています
A Thousand Years - Christina Perri (Boyce Avenue acoustic cover) on Spotify & Apple

思わず手を差し伸べた その花の命は
この春も あなたを温めてくれるでしょうか

彼岸にも此岸にも 等しく春は舞い降りて
その川の先 花びら流るる

咲き微笑んで 雨に泣き
繰り返される 歌も愛しき春の道

桜守りの言う事には
人が 芽吹きや花の咲く時期を調整する事が出来ても
花芽を付かせることは 決して出来ない
桜が 自分の意志を持って咲くらしい
だから 私たちは
桜の心を ただ眺めるのだ
何故咲いたのか などと 無粋は言うまい

夕暮のさくらばなは 雪のように影を呑む
その白き群れの中を いつまでも歩きたい

陽が暮れたら さくらばなは眠るのでしょうか

きっと夜目にも浮き立って
中々 眠れないのでしょう

散る事など 考えず
ただ いのち一杯咲けた喜びを
友と 語り明かすのだ

春色の 天蓋の下
幸せな 夜を迎える

今年も咲けたと あなたと笑う
まり