Kaori Muraji - 村治佳織 - Merry Christmas,Mr Lawrence

12月25日
作り掛けの出来損ないのサンタがチョコレートケーキの上で朝を迎え 最後の窓を開ける

イヴの夜 君に済まない事をした
そのままでも まるで土下座をしているような姿だから
この上 手足を縛るのは可哀想な気がして・・・
でも そのままローストしたら もっと可哀想な姿になって
写真を撮るのは 止めにした
ごめんね・・・ ぼくがチキンだったよ・・・

イヴの夕暮れはお空も染まり とても綺麗だった

雲の波も 紅く染まり
温度の高い 暖かな海のようだった

聖夜 星は瞬き 善い心が浮かび上がる
悪しきものは眠りを貪り 目を覚まさねばよい

日付が変わる頃 お空にはキャンドルが灯り
何処からともなく甘い香りが漂い
ぼくは その懐かしい香りを肺に満ちる程吸い込んだ

ぼくの部屋の壁には張り紙も無く
ぼくの根性は 絹ごしのように柔らかで
そして 哺乳瓶で育ったせいか
ちゅくちゅく吸うのが大好きなのである

でもそれは ただの夢で・・・
目が覚めた時 口の中が甘かったような気がしただけなのかも知れない・・・

普段 寂しい顔だねって言われるから
知り合いの描いてる 笑顔の作り方 を読み練習をする・・・
口角を上げて 上を向いて・・・
クリスマスぐらい笑って見ようじゃないかって
面白い顔したら 誰か一緒に吹きだすかも知れないね
でもね でもさ 誰かの一言が本当の笑顔をくれるんだ
ほんのささやかな 一言がね
あなたの 貴方の 貴女の 君の
小さな心の欠片がね
お空に キラキラ輝くよ
笑顔を ありがとう・・・
最後の窓を 笑顔で開けられてうれしいです

大丈夫の石を探しに行こう・・・
勝っても負けても大丈夫
いつの間にかポッケから落ちた
大丈夫の石を見つけに行こう・・・
たくさんの欠片に ありがとう
25個の窓を 一緒に最後まで開けてくれてありがとうございました
心から感謝しています
まり