Nearer My God To Thee (instrumental)

その川は 決して渡れぬ川でした
きらきらと光り輝き 天に流れる川でした
蓬莱をぞ求めんと 竜頭鷁首の船を仰ぎ
追いすがるように わたくしは
只管に 転がるように追いかけて
今も尚 その船をずっと見つめているのです

その山は 決して越えられない山でした
春霞に覆われて 甘い香りを漂わせている山でした
おぼろげなる稜線は 時をしばしば忘れさせ
這い登るように わたくしは
只管に 幾度足を踏み外そうとも
今も尚 その山を登り続けているのです

いつのまに 芽生えた感謝を噛みしめて
いつかと誓った あの日から
薄絹のように肌に掛け 肌の一部になりました

人の涙で出来ている 空に流る天の川
空舟が流れゆく ゆらりゆらりと揺れながら
船は積み荷を知らぬまま 今日も霞の中をゆく
言わずもがなと 心に仕舞う
生きるを乗せた その宝船
ずっと言えなかった 感謝を込めて・・・
まり